「r」を獲得するためには我慢が必要

下図は推奨ファンドBの設定来の価格推移(青線右軸)と投資開始時期ごとのパフォーマンス(グレーのラインの投資金額が2021年6月にオレンジになっている)を表しています(2021年6月末)。

価格も上昇しこのファンドの保有者すべてがプラスの状態です。リーマンショックが起こる前に運用開始した人も2倍以上になっています。

下図は同じ推奨ファンドBのグラフですが、時期を変えています。左の開始時期は上図と同じ2007年10月(当ファンド設定月)、設定から5年後の2012年9月時点での開始時期ごとのパフォーマンスを表しています。

同じファンドですが全く違う状況に見えますね。2007年10月に運用開始した人は2021年6月現在で2.63倍になっていますが、2012年9月時点では、0.55倍と45%もマイナスでした。

リーマンショックの大幅下落時に開始した人以外はほとんどマイナス、良くてもトントン、です。長期投資が必要とわかっていても「これ以上マイナスを増やしたくない」「本当に続けても大丈夫か?」あるいは「もとに戻ったら解約しよう」、と解約した人も多かったと思います。

下図は設定10年後のグラフです。5年前に45%のマイナスだった2007年10月運用開始の人も何とか元本は回復してきました。リーマンショックの最中に運用開始した人は3倍近くになっています。

この4年後が一番上のグラフになります。リーマンショックの前後で成績は大きく違いますが、老後資金準備のための資産運用であれば十分なのではないでしょうか?

運用開始して間もないケースでは5年後グラフのような状態になることは十分にあり得ます。そのような時は、「もっと悪くなる」「回復は困難」といったニュースが多くなると思いますが、長期でお金を殖やすのが目的であれば、そのような値動きを解説するニュースなどに惑わされずに、我慢して継続することが大切になります。

確定利回りを上回るリターンは不確実なことに対しての我慢の報酬です。投資家が我慢している間も企業が事業を継続しているのであればいつか報われるはずです。

さらに当面使う予定がない資金があれば追加投資を検討するとよいでしょう。グラフを見ればわかりますが最も不安な時に投資した人が最も大きな報酬を得ているわけですから。