投資タイミングの記事をどう読むか

下図はNYダウ平均株価の1年間の推移です。年初に付けた36,799ドルの高値から6月17日には3万ドル割れまで下落、その後8月半ばには34,000ドルまで戻りましたが、9月初にかけて31,000ドル台まで下落しました。

https://www.google.com/finance/quote/.DJI:INDEXDJX?window=1Y

インフレ抑制のための金利上昇はまだしばらく継続するようですし、ロシアによるウクライナ侵攻も依然不透明です。

専門家の解説もいつが底かについての見解はまちまちのようです。

投資信託や株式を保有している人は勿論、これから投資を新たに始める人は、いつが底か、まだ下落はあるのか、気になるところだと思います。

8月半ば、大きく戻しているときに下記の記事が掲載されていました。

戻り試す米国株に不都合な知らせ、底入れサインが点灯せず-BofA

米国株の行方を完璧に予測してきたある指標から、株式強気派に不都合な知らせがある。株価はまだ底値を付けていないというのがその知らせだ。

(略)

1950年代以降、あらゆる相場の谷においてこの指標は20を割り込んできた。だが今年は、相場に打撃を与えてきた一連の売り圧力の中でも、まだ27までしか下がっていないという。

(略)

最近の株高に反するシグナルを発しているのはルール20だけではない。過去には相場の底入れを示す指標の80%を達成してから下落局面を終えたのに対し、足元はまだ30%ほどしか達成していない。スブラマニアン氏らはリポートで、このことも「株安再来の可能性が高いことを示す」と記した。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-17/RGRFO1DWLU7701

記事内のグラフ」を見るとまだ底入れのサインが出ていないことがわかります。

実際にこの記事のようになるかどうかはわかりませんが、このような記事を見た時に私たちはどうすればよいでしょうか?

もし投資の目的が株価の変動を利用して短期的に利益を上げることであればこのような指標も含めマーケットの動向、それによる他の投資家の動向、などを予想し機敏に動く必要があります。

一方、長期資産形成では別の視点が必要になります。

下図は1982年~のNYダウ平均株価の推移を表しています。日々小さな値動きがあり、時として大きな値下がりはあるものの右肩上がりをしている、と見えるのではないでしょうか?

先ほどの記事によると1980年以降5回の底入れのサインがあったことになっています。株式投資ではこのようなサインを上手に捉えて、良いタイミングで売買することが必要と思われています。

ところがこのグラフを見る限り、長い目で見れば、売り買いせずに投資を継続することで十分によい成果を得ることができていたことがわかります。

何故良いタイミングで売買しなくてよいのでしょうか?

それは株式会社そのものが環境の変化に対応し事業を成長させようとしているからです。景気の動向や戦争、インフレや金利上昇など一般に株式市場にネガティブな出来事があったとしても、だからと言って事業を諦めるわけではありません。企業はそのような環境の下であってもどのように事業を発展させるかを常に考え行動しているはずです。

1990年初から今まで、サインなど気にせずにずっと投資を継続していたら10倍以上になっています。

今後も短期的にはマーケットにネガティブな出来事起こるでしょうが、時間の経過とともに企業が成長しその成果を得る、というスタンスでいることが長期の資産形成では大切になります。

  

それでもタイミングが気になる人は投資時期を分ける「積立投資」が有効です。同じ商品の一括購入と積立投資の違いを確認してみましょう。

2022年6月末 推奨ファンドの推移

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