トランプが大統領になっても長期投資ではスタンスに変更無し
2025年にトランプ氏が米国大統領に就任すると予想されています。世界株指数(オールカントリードルベース)はこの1年間で26%と大幅上昇したのでトランプ次期大統領の政策によっては短期的には株価は大きく下がることもあるかもしれません。
やり方や商品を変えたほうがよいの?
など気になる方も多いかもしれませんが、長期投資であればスタンスを変更する必要はないと考えています。
下図は2016年から2023年までの米国を代表する株価指数S&P500の年末終値の推移です。
2017年から2020年までが前回のトランプ政権です。2017年、2018年は横ばいでしたがその後は上昇、4年間(2016末~2020末)で約68%(年13.8%)上昇しました。下図は上記グラフに企業利益(EPS:S&P500銘柄の一株当たり利益の合計)を加えたものです。
株価と企業利益の関係は、概ね連動していることが確認できます。株式の本質は企業の所有権なので、利益が出て企業にお金が貯まれば株価が上がるというのはいわば当然の結果だと考えてよいでしょう。
トランプ政権の誕生により、法人税の減税や規制緩和による企業業績の改善が期待される一方、貿易摩擦や米連邦政府の財政赤字拡大による金利上昇などが懸念されています。
打ち出す政策により短期的には株価は大きく動きますが少し時間軸を長くすると企業の利益追求活動がいづれ株価に反映してくる見ることができます。
下図は2000年末からの株価と利益のグラフです。2000年のITバブルの崩壊、2008年のリーマンショックなど企業利益が落ち込むと株価も下がっていたことがわかります。
2020年はコロナショックで利益は大きく落ち込んだ一方、リモートワークや非接触などを支えるデジタルツールを提供する企業の利益は大幅に増加したことで株価は短期間で調整が進みました。
以上からも短期の値動きで利益を得ようとするのであればトランプ次期大統領が打ち出す政策により市場がどう動くかを予想する必要がありますが、長期の資産形成・取崩運用では「一時的な値動きは受け入れて(我慢して)、企業が成長しそれが株価に反映するのを待つ」というスタンスが重要だと考えています。