長期資産形成に向いている手数料タイプは?

資産運用をするときに「しっかりとゴールに向けて伴走してくれる信頼できるアドバイザーに相談したい」、と考える人も多いのではないでしょうか?

経験豊富なアドバイザーが担当者としてしっかりと見てくれるのであればある程度の手数料は負担するのは当然だが、本当にそれが妥当なのか、複数ある手数料コースのどれを選べばよいのか迷う方もいるのではないでしょうか?

ここでは代表的な手数料プランを比較してみたいと思います。

下図は当サイトで推奨している「ファンドB」を2007年12月から2022年12月まで15年間にわたり継続保有した場合の評価額と負担手数料の推移を表しています。

100万円で投資開始、2008年にはリーマンショックで半分以下になってしまいましたがその後回復して2022年末には211万円になりました。(A)(B)(C)は全く同じ商品を異なる手数料タイプで購入した場合の毎年と15年間の手数料の累計を表しています(投資信託の信託報酬は控除後。比較しやすいように手数料は外枠)。

タイプ(A):購入時の手数料は「ゼロ」、残高フィー(口座管理フィー、ラップフィー等)も「ゼロ」のケースです。

タイプ(B):購入時に3.3%(税込み)の手数料がかかりますが、保有時に残高フィー(口座管理フィー、ラップフィー等)はかかりません。

タイプ(C):購入時の手数料はかかりませんが、保有時には年間1.1%の残高フィー(口座管理フィー、ラップフィー等)がかかります。

 

担当者のアドバイスを必要とするのであれば(B)か(C)になりますがこの表を見て(C)を選ぶ人はおそらく多くはないと思います。ところが実際は、(C)タイプを推奨している金融機関やアドバイザーも多いようです。その理由はこの表を見たらわかる通りお客様よりも金融機関にメリットがあるからではないでしょうか?

概ね4年以上の投資であれば(B)タイプの方がメリットがあるのは、3.3%一度と1.1%毎年の比較なので簡単に判断がつくことです。つまり一般に印象付けられているフィーベースの手数料体系は「善」、販売時の手数料体系は「悪」というような単純なものではなく投資期間によって適正な手数料体系は異なると言えそうです。

長期投資では(B)タイプが良いということは分かりましたが、どのような投資スタンスの人が(C)タイプをえらぶべきでしょうか?

(C)タイプは売買では手数料がかからないということですからこの手数料体系を最大限生かすのは長期投資ではなく短期投資を繰り返す人、ということになりそうです。

イメージではなく良い商品を長く保有する長期投資なのか短期売買なのかご自身の投資スタンスを明確にして手数料タイプを選ぶことが大切です。